PORSCHE996

27モータースポーツで積極的に推進するDME(ECU)チューニングは、診断用OBD2ポートを介して、直接純正ECUにアクセスする方法です。

PORSCHEに関しては、996モデルからがその対象になります。

それ以前の車両については、ECU自体を取り出し、ROMを書き換えるチップ型になります。


さて、996ですが、DME(ECU)チューニング市場では、他輸入車同様に海外からの出来合いデーターをそのままインストールされているケースが多い様ですが、本当にそれで良いのでしょうか? 

海外輸出される国の仕様や、その国の市場の状況が分からない上での画一的な海外出来合いデーターに、疑問はないのでしょうか?

加えて996の場合少し事情が違います。

996のエンジン性能は、カタログ通りになっていないケースが多々あるからです。
パワーが出ていない車両に、出来合い海外輸入データーが果たして通用するのでしょうか?

996の不安定な性能

特に問題なのは、A/F(空燃比)のズレ。
全体的にリーン(希薄燃焼)になっているケースが多く、基本出力に程遠いケースが多いのです。
例えば、3.2L→300PSのカタログ表記ですが、計測馬力は200PS前後の場合すらあります。
概ね40-50馬力も低いケースが多いのです。

エンジンのアイドル不調でもなく、また吹き上がりがグズグズしているわけでもない。
微妙に(あるいは大幅に)燃調がずれているケースが多いのです。

では、そのまま従来通りの海外輸入データーのインストールで、良いのでしょうか?
基本性能が出ていない場合は、パターン的なデーターチューニングは難しいと言わざるを得ません。

以下は、996(3.2L)の測定例です。
特にエンジン不調を言う訳でもなく、普通にオーナーはドライブしていました。
つまり、パワーダウンが実際には発生しているにも拘わらず、特に不調でない限りは、そんなものだと思い込んでいる訳です。

パワー測定の推奨

PORSCHEオーナーの方は、先ずパワーチェックをご検討下さい。

27モータースポーツでは最新シャシーダイナモ(DAYNO RACE・DIM TECH社製)を完備しています。

最も優れた特徴は前後のローラーが油圧でリンクしている点。
RRのPORSCHEであっても、ローラー上では4輪がシンクロして回転します。
加えて、任意の負荷(電気ブレーキ)が掛けられ、実走行に近い条件でローラー上で走行ができるのです。

この4輪シンクロシステムをESS(Equalizing Speed System)と言います。

DME(ECU)は常に4輪の回転をモニタリングしています。
ABSやトラクション関連の異常を感知すると、出力ダウンなどのフェールセーフが掛かります。
従来の前後独立型テスター(前後のリンクがないもの)では、最新車両の測定が難しくなっています。
これはPORSCHEに限らず、他欧州車や国産にも同じことが言えます。

27モータースポーツでは、イタリアDIM-TECH社製設備を駆使し、安全・迅速・確実に測定が可能なのです。

個別プログラム

測定した結果が予想を下回る値である場合、対処方法を検討することになります。

ある程度基準に満たない性能であれば、何が原因なのか?を探求しなくてはなりません。
データープログラミングによって対処するべきなのか?あるいは他部位の見直しを先に行うべきか?
繰り返しますが、先ずはパワーチェックです。

続いて、主にA/Fの確認。
空燃比がずれている範囲を確認しながら、プログラミングで対処する場合、これこそが当社の最も強みとしている、最新設備と個別セッティングの自由性。

“融通が利く”・・・とは、大変に有効なことです。

では、996の実例をご紹介します。
以下A/F(空燃比)の表をご覧ください。
車両A

車両B

車両Aと車両Bは異なる996を意味します。
同じエンジンであっても、A/Fが大きくずれていることがグラフから分かると思います。

これが、出力のバラつく原因の1つになっています。

プログラムで、丹念に修正をかけたものと重ねてグラフ表示しました。

A/Fは細かに変化をしますので、一線の水平線にはなりません。
しかし、当社でプログラムをしたA/Fがかなり一定化を実現しているこことが分かります。

パワーを引き出す事は、無理に引き出すことでは有りません。
エンジンの持っている”ポテンシャル”を引き出すことです。

A/Fを修正すると、以下の様なパワーカーブになります。

トルクや馬力が見事に立ち上がることが分かります。

この修正作業と更なるDEM(ECU)チューニングを兼ね備えたものが27モータースポーツが提唱するデーターチューニングです。

先ず、しっかりと状況を判断することからは始める996チューン。
輸入データーや、設備のないところでは真似の出来ない技術です。