VW Golf6-R / DMEチューニング


VWゴルフの最高位に位置づけられたGolf6-R。27MSでのデーターチューニングの成果をご覧いただきましょう。

パワーユニット


2010年に発売開始されたGolf6-R。
4気筒の直噴ターボ。
カタログ数値 最大馬力256PS / 最大トルク33.7kgmとなっている。


では、当社最新シャシーダイナモテスターでの測定結果。

<当社シャシーダイナモテスター測定値>
ノーマルデータ(赤)
最大馬力235.6PS(6450rpm) / 最大トルク 35.4Kgm(4550rpm)

<メーカー公表カタログ数値>
最大馬力256PS / 最大トルク33.7kgm


カタログ数値には達しないレベルではあるが、非常にパワフルなエンジンである事は間違いが無い。


最高峰のRブランド。
しかしそのエンジンは先代Golf5 GTIからの周到である。EA113型ベースエンジンの設計素性の良さが伺える点でもある。
とは言え、タイミングベルトでのカム駆動や、WP位置関連などを含め、2.0TSIとは異なる設計であり、Audi TTSやS3系搭載の高性能エンジンである。

DMEチューニング

前述の通り、先代Golf5 GTIからの周到エンジンであれば、先ず気になるのが、Golf5の限定車Pirreliモデルとの比較である。

雑誌などの表面的なスペックだけではなく、DME制御でもやはり6-Rの方がより綿密にプログラムが組まれている。
やはり、かなり進化しているエンジンなのだ。

<当社シャシーダイナモテスター測定値>
弊社DMEチューニングデータ(緑)
最大馬力 291.5PS(6450rpm) / 最大トルク 38.3kgm(3360rpm)

ノーマルデータ(赤)
最大馬力235.6PS(6450rpm) / 最大トルク 35.4Kgm(4550rpm)

ノーマルデータに比べ、約56ps UP!


今回のDMEチューニングのポイントは幾つかある。

  • 低速域からのトルクを出し、乗り易さを追求する
  • 過給の垂れを極力押さえ、安定したトルクを確保する
  • 高回転域での伸びをより充実させる

結果、ドッカン的な唐突感を残すパワーの出方もないし、高回転で無理に最大パワーを引き出すようなこともない。
極めて、スムースなトルク感を演出しながら、リズム良く伸びる高回転域を実現している。
過給も無理をしながら、パワーを搾り出すようなこともせず、1.1kgcm程度の妥当な過給圧でDMEチューニングを施した。

加えて、4モーションなる4WDの安定感と、R車らしいサス&ブレーキのマッチングは実に目を見張るものがある。
4WDの駆動系ロスは当然あるものの、前後のトルク配分を巧みに制御し、極めてスムースな推進力に変えている。
知らぬ間に、とてつもないスピードに達していることも、頷ける話だ。

乗りやすい、安定している、そして速い。
これが、Golf6-Rの総合的なDMEチューンの特徴と言える。

一言で表せば、“効果絶大"のDMEチューニングである。

4モーションのGolf6-Rの安定感と当社テスタの必要性

4モーションとはフルタイム4WD システムのことであるが、VWの基本的機能は前後トルク可変式フルタイム4WD。
Haldexカップリングが全輪タイヤをセンサリングし、前後に最適なトルクを配分する仕組みだ。
通常走行時の前後トルク配分はF9/R1、路面状況や走行状況に応じて、前後トルク配分が分けられる。
ABSやトラクションコントロールなども同時制御され、滑りやすい路面での安定性を高める。

この様に前後のトルク配分を複雑に制御しながら、タイヤを回転させる仕組みの場合、前後ローラーがリンクしてなければ、対応が出来ない。
例えば、4WD対応のローラーであっても、台上でトルク配分が変われば、前後タイヤの回転差が生じてしまう。
異常感知をし、フェールセーフモードに入る。 これではパーワー測定が出来ないのである。時として、センターデフの破壊に繋がるケースもある。

これこそが、DIM-TECH社が考える、最新ダイノの必要性である。

確実なデーターチューニングを達成する為には、DAYNO-RACEの様な最新機能を有するテスターでなければ対応ができない時代なのである。