ルノー・トゥインゴ・ゴルディーニRS DMEチューニング

ルノー・トゥインゴ・ゴルディーニRS



基本データー

エンジン:直列4気筒DOHC・1598cc
最高出力:134ps/6750rpm
最大トルク:160Nm/4400rpm

ざっと、1.6L/130馬力程度、扱いに手頃な車。
車重は1000kgと軽快感が期待できる。

画像の車はルノーの代表的カラーの“ゴルディーニ ブルー"、正しくはブルーマイトメタリック。
アクセントのストライプでスポーティを演出。
ホイール、エアロ、ステアリング、すべてフレンチな味付けが、何ともお洒落な様相を醸し出す。

ベースエンジンは、そんなに高回転を狙ったものではないのであろうが、ゴルディーに恥じないルノースポールによるエンジンモディファイで高圧縮型になる1.6Lユニット。

17インチのホイール設定で、サスの追従性はノーマルながらに見事なものだ。
これなら、"頷けるスポーツカー"と言った所。

コレを5速MTで転がすわけだ。 マニュアル設定は嬉しいエンスー好み。

走りに意識が置かれたメーカー設定が容易に分かる。

さて、前置きはこれくらいにして、27モータースポーツが備えるDIM社製ダイノレースで測定。

FF車のルノーも、当社シャシーダイナモでは4輪がシンクロ。
ECUに異常信号を送らず、正確にパワーチェックができる優れものだ。

気になる実測データーは、最大馬力119.8PS。
カタログ数値には届かない。134PS基準からすれば、14PSの差は大きい。

さて、実態を確認したところから、27MS流のECUチューニングを料理。

DMEチューニングの味付け

気になる点が先ず、燃調。
兎に角全体的に濃い。ターボ車輌並にリッチな回転域も混在するのだ。
その割に、トルクが13.3kgmと少し細いのも気になる。

A/Fを各回転域に併せて、丁寧に見直す。
後半のエンジン回転域は特に濃い。 これを更に煮詰めて適正化。
パワーグラフは見事に頭を持ち上げる格好となる。

これに加え、点火時期をわずか数度以内で最セッティング。
安全マージンを十分に意識しながら、慎重にターゲットポジションを確保。
後半の谷間を上手くクリアして行く。

さらに、レブリミット。
7000rpmでカットされたリミッターを7200rpm間でプッシュ。
これにより、高回転域でのドライビンの楽しさを演出。
中間域~後半エンドまで綺麗に吹き上がる性能を作り出した。

トルクは結果14.9kgまであがり、異常に濃かった燃調と併せてアクセルレスポンスの反応もアジャスト。
総合的に、車が軽く前に突き出る格好となった。
燃費向上も十分に期待できるものと考える。

ルノー・トゥインゴ・ゴルディーニRS 性能曲線
ノーマル実測値
青:
119.8ps/6679rpm
13.3kgm/6164rpm
チューニング後測定値
緑:
132.7ps/6840rpm
14.7kgm/6003rpm

小排気量+NAのエンジンをECU(DME)チューニングでセットアップするのは結構テクニックがいる。
アレコレ弄っても、結果が出せないチューナーが星の数ほど存在する事だろう。

先ずは己を知る。つまり、最新設備のシャシーダイノで測定をすることから始める事が最も重要。
今や欧州車の殆どが当社最新設備のダイノで無ければ測定すらできない。

データーだけを商社的に販売する業界とは、無縁の世界である。