表面コート

マーレのピストンは黒々としているのが代表的な特徴です。
BLACK DAIMONDS(黒いダイヤ)と称される所以でもあるのです。

およそ全体を濃いグレーでコーティングしている技術をPHOSPHATE(フォスフェート/リン酸塩)コートと言います。
リン酸塩によるコーティングは母材よりも柔らかい、多孔質なため保油性が高い。
金属―金属の直接接触を妨げるので、スッカフィングしにくい、防錆効果などの特色があります。

PHOSPHATEの作用をサーマルバリアと考える方もいますが、狙いはリング溝とピンボスに施すことで初期なじみを向上させることにあります。
リングに関しては、マイクロ熔解(凝着)現象やスカッフィングを抑え、ピンについてはカジリを防止する狙いがあります。

さらにスカート部に施す黒いコーティングをGRAFAL(グラファル)コートと呼びます。
フェノリックレジンとグラファイトを融合させたMAHLEの特許コートです。

GRAFALはスカート部の潤滑を担い、摺動抵抗を抑え、シリンダー壁のスカッフィングを防止する効果があります。
その他にもクッションの役目もあり、ピストンスラップの低減(静かなエンジン)、シリンダー壁の耐磨耗性向上などもあります。

このGRAFALコートはピストン製造工程の一貫で行われるもので、他のような“後から塗布する”と言った類のものとは一線を画し、容易に剥がれ落ちる様なことはありません。

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